私の体を、未だに背中越しに抱き締めたままの真二で逆に助かった。 もしも、顔を見合わせていたらなんて言ったらいいのか分からなかったよ。 「ナギサがあの俳優に惹かれてるって気付いてた」 「そんな……私は」 「いいから聞いて?」 背中を濡らす液体の量が減らない事を感じてるから……彼の為に、私は言葉を止めた。