「その話……受けます」 断わる人なんているんだろうか? 専務は当然とばかりに頷くと、淡々と説明を続けていく。 「もし今付き合ってる方がいらっしゃったら別れて貰いたいんですが……」 なるほど。 そうですよね? だけど 「そんな人はいませんので……」 残念ながら、高校時代の彼氏とは卒業して毎日会わなくなってから自然消滅。 これは売春ではない。 風俗でもない。 ……ハズだよね? ただの取引。 私は……目の前の契約書を見ながら、そんな風に簡単に考えていた。