「 真美も同じこと考えてると思うけど 」

本当に複雑だ。
二人を知ってるから…

ラーメンの味が味噌なのに、濃さすら舌に感じないほど 周二と水原の事で 何が出来るのかと悶々としていた。

あ~ くそっ 俺は水原の悲しい顔なんか見たくねぇての!

周二もどことなく元気がなく、会話もあまりないまま ラーメンを食べて帰った。

別れ際に周二が、水原の話を聞いてやってくれと言われたが 二度も言うほど水原を気にしている事が周二の優しさ。

いくら親友でも、俺は水原に好意があるのに… そう思うと苦しい。

家に帰ってすぐ、着替えて水原にメールをすると早い返事がきた。

俺の家付近に来てるから 来ると言う。

10分くらいして水原が来た。

内心、ちょっと嬉しい気持ちだった。
いくら諦めたにせよ、好きな子がいて彼女なら こうやって自宅に来ると思うと、嬉しいもんだ。

部屋にいる水原を見ていると、錯覚してしまう。

俺が先に告白してたら… 水原を真美と呼んでたら… 俺の彼女だったらいいのに…
勘違いしたくなる。

「 祥吾くん?」

「 あ、ああ 何? 話は周二の事だろ 」

「 うん… 」

俺の横に座る水原…

「 周二と、別れるつもりか?」

黙ったままの水原は目に涙を溜めている。

「 水原? まさか本気じゃないよな?だって 泣くくらい周二が好きなんだろ?」

水原は涙を溢れさせて、俺は 水原の頭を優しく撫でた。

それしか思い付かないから。

本当は、抱きしめてやりたかったよ。
それはしちゃいけない事だとはわかってるし、何もしないけど、泣いてる水原を見るのは辛い。