帰りに遊ぶ約束して、授業を半分 睡魔と戦いながら黒板とにらめっこ。

授業が終わる頃、ポケットで揺れる携帯を教科書で隠して観ると、水原からのラインが入った。

内容は『 帰りどうする?』だった。

どうするって、俺か?なんか、違うような… 確か友達と帰るはずじゃ…

俺は 返事した。

『 俺は周二と帰るよ~ 』

って送ると、水原は周二に送ったつもりだったらしく 間違えてごめんと返事がきた。

俺は思った。わざと間違えたんじゃないかって… 何か相談でもあったのかと感じた。

何となく感じていた周二と水原の空気の変化に、今 俺が何かを言うべきではない。

俺は 水原を諦めた。

なのに、今二人がうまくいってないのはどうなんだろう。

水原を好きな俺としたらチャンスなんだろうが、親友の彼女である以上、チャンスなんて言えない。

複雑だ。

授業が終わってから、俺は周二と階段を降りて下駄箱に行くと、水原とバッタリ会った。

「 あ… 忘れ物しちゃった!じゃあ またね!」

俺と周二の顔を見るなり水原は目が泳ぎ、忘れ物したとパタパタ走り去る。

ふと、周二を見ると すでに靴を履き替えていた。

おいおい、なんなんだ、これ…
やっぱ おかしいだろ… 絶対になんかあったな?