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そして、デート当日。


ドキドキしながら待ち合わせ場所の駅に行くと、そこにはもう菊池先輩がいた。



「!!」



でもあたしは菊池先輩を見た瞬間、気づかれる前に思わず柱の陰に隠れてしまう。


…って、あー何やってんだあたしは。

星河先輩とのデートより緊張してしまうのは、何でだろ…。



…そう思って必死で心を落ち着かせようとしていたら…



「茉友ちゃん?」

「!!」



あたしに気が付いていたらしい菊池先輩が、柱の陰に覗き込んできた。

その瞬間至近距離でバチッと目が合って、思わず顔を逸らしてしまう。



「こ、こここんにちは、」



凄く挙動不審になりながらそう言ったのに、菊池先輩はとくにそんなあたしを気にする様子もなく笑顔で「こんにちは」って返してくれた。


あぁ、心臓壊れそう…。


そう思って独りで顔を赤くしていたら、菊池先輩はふいにあたしの手を優しく握って…



「行こっか」



そう言って、ふんわり微笑んだ。



「!」



その笑顔にすらあたしはドキドキしてしまうし、歩く度にかすかにあたる菊池先輩の肩にもいちいち反応してしまう。

だけどあたしは緊張しながらも、菊池先輩に問いかけた。



「あの、きょ今日はどこに行くんでしょうか?」