パニックになってる私に

さらに投げかける優しい言葉。

「返事が欲しいわけじゃないよ、

 君が好きな人は知ってるから。

 君を困らせるつもりはないよ…」

「す、好きな人なんてっ」

部長はクスリとまた笑う。

「さっき言った、

 君は自己評価が低いって、

 それともう一つ、

 自分の気持ちも見えてないんだね。

 でも、教えてはあげない。

 自分で考えて。

 さて、時間だ。

 一緒に行ってくれる?打ち合わせ。」

笑顔で差し出された手

「は、はい。」

一瞬繋ぎそうになっちゃった。


部長は手を引っ込めて、

「よし!」

そう一言言うと、

席を立ち上がった。