カラン…

部室の鍵当番だったあたし。

誰もいない部室を開けて窓を開いた。

旧校舎を利用した部室は

ガランとして、それでいてなんか独特の古っぽい匂いがする。

「なんか…なんだろこの気持ち。」

今朝から、気持ちが行ったり来たりするようなモヤモヤした感じを

ずっと持て余していた。


『本望』なんて…

そんなわけない。

けど、元気になった秀ちゃんがあたしに感謝して、

優しくしてくれたら、

前と違ったら、みんなみたいに優しく接してもらえたら

そしたら、嬉しいかな…

あたしに優しい秀ちゃんなんて

想像してから、

頭をプルプルっと振った

「気持ち悪いかも…」