「決めてたのになあ、今度お前にあったらもう意地悪はしない、

 泣かせないって。ダメだな俺」

秀ちゃんはいつになく優しい声であたしの頬に触れる。

秀ちゃんは今どんな顔してる?

顔が見たいよぉ、止まれってば涙。

そんなふうに思った時だったと思う。



秀ちゃんの体がぐらりと揺れて

バタンって音がした。







何?

あたしの涙は止まったのに

視界には秀ちゃんはいなかった

「秀ちゃん!」

あたしの足元に秀ちゃんは倒れていた。


あたしの足先に触れる秀ちゃんの指が少し動いて

口元が歪んだので呼吸してるってことがわかった。


「誰か、助けて!救急車を!」

瞬間そう叫んでた。