「和馬くん、言ってくれたんだ。『衣乃ちゃんが好きだよ』って…。私、深い意味では、よく分からなかったけど嬉しかったな…」
優しい日だまりの匂いがするあの部屋。
和馬くんが言ってくれた魔法の言葉。
「和兄…お前のこと好きだったからな…。本気で。
和兄が教えてくれたこと…忘れたことがない。」
「ふふっ…嵩広と違って和馬くんは優しかったもんね。」
「一言余計だ(笑)」
嵩広は私のおでこにデコピンをして笑った。
「いったーっ!もぉーっバカっ!」
私は嵩広の方を見ておでこを押さえた。
嵩広はクスッと笑った。
「お前はやっぱ、しらけた顔してるより
強気な方がいい。自分に自信をもて、衣乃!」
嵩広が拳を私の目の前に持ってきた。
私はその拳に私の拳を合わせて笑った。
「うんっ!」
って言って笑った……。
そして嵩広と別れて私は家に入った。


