「 そういえば、桂木くんが私を保健室に運んでくれたの?そうなら、ありがとうね。」
「 ああ、あ… うん、いや。」
言葉が濁った事なんて、私は気づきもせず、こうして送ってもらっている事に感謝した。
翌日、なぜだか不可解な出来事が私に降りかかった。
階段を降りていると、走り去り際にドンッと肩をぶつけられて 足元がふらついて二三段を踏み外しそうになる。
去るものは一言もなく、教室の机にあったはずの教科書、ペンケースが消え、動けば足を掛けられて転びそうになったり、トイレに入ればトイレットペーパーが頭上に降ってくる。
イジメというより、嫌がらせ。
私には身に覚えがなく、困惑するしかなかった。
放課後、私はまた美術室にいた。
誰もいない教室の静けさがどれだけ安堵したか。
机にあるダビデ像を見つめ、つっ…と流れる涙がダビデ像に流れ落ちた。
「 ダビデも泣くのか?」
突然の声に、ビクッとなるが、聞き覚えのある声に私は振り向く事が出来ず しゃがみ込んで、ハイハイしながら移動していく。
やだ、もう!泣いてるとこなんか見られたくないのに… よりによって隼世くんだもん!
「 おい、それ逃げてるつもり?」
「 あ… いえ、まさかぁ… あはは、コンタクトが~ 」
手元に隼世くんの上靴が行く手を阻み、逃げてると言われ、私はごまかした。
恥ずかしすぎるっ どうしよう!
「 えっ、きゃっ!!」
いきなり私の両脇を抱えて立ち上がらされた。
な、なにこれ… うそ~
軽々私を持ち上げたと思ったら、ストンと机に座らされた私は ポカンと開いた口がアホ面になっていたらしく、隼世くんは私の顎を閉じるように、カクッと手で押し上げた。
恥ずかしすぎるって!に、逃げたいっ

