雪side




「そこ私の席なんですけど…。」




私は私の椅子を使って話しているクラスの女の子を見た。


すると、その子は一瞬びくっと反応してごめんねと言って椅子からどいた。


違うのに…。

私の席だから、話してていいよって言おうとしたのに…。


後悔しても遅くて私はため息をついてしまう。





高校3年生になって1ヶ月。

もう、桜は散り終わってしまって既に葉桜。


私(岡田雪)は教室の窓から桜の木を見る。



こんなにあっけなく散ってしまうなんて…。



そんなことを思いながら静かに賑やかな教室の声を聞く。