だけど意外とあたしは冷静だった。
浮気者!と罵ることも当初は視野に入れていたが、先輩と綿飴先輩を見ていると頭が冴えた。
“あたし”が居なければいいんだと。二人の邪魔をするのは“先輩の彼女”なんだと分かった。
悔しく無い、と言えばウソになる。
「心当たりありますよね。」
「栞菜…?」
「もう、別れてあげます。」
その言葉に先輩は目を見開いた。
「先輩には好きなひとがいますよね。」
「な、に言ってるんだよ、俺には栞菜が、」
「貴方が本当に好きなのはあたしじゃない。貴方が見る先にはいつも、別のひとだった。」
「……」
「もう、恋愛ごっこは止めにしまょう。」
悔しい、哀しい。
涙がじわじわと混み上がるけど、ヘラッと笑って誤魔化した。
「あたしを傷付けないように、夢を見させてくれてありがとうございました。」
先輩の顔を見れなくて御辞儀をする。
あたし達がしていたのは“ごっこ”だった。優しい先輩はあたしの“ごっこ”に付き合ってくれただけ。先輩の本当の気持ちにも気付かず、あたしはただ浮かれていた。子供のママゴトのような、お子ちゃま恋愛の初恋。

