今日一日はとても疲れました。



女子の皆さんに休み時間は質問攻めでしたし、朝ナデナデしたことを羨ましがられました。



やっぱり、私なんかが触って良いような人ではないのデスね、神楽木君は。



そう思うと、少しだけ悲しくなってしまいます。何故でしょう。



「委員長、この問題は?」



「あ、これにはこの公式を使ってデスね…。」



こんな私相手にも、嫌な顔をせず一生懸命に勉強をする神楽木君は、とてもとても可愛らしい。



神楽木君のノートにシャーペンを滑らせて公式を代入してると、神楽木君の小さなお顔がとても近くにあって、とてもじゃないけど集中出来ないのデス。



「ね、いーんちょっ!」



なのに、神楽木君は遠慮というか、緊張もないのか、平気で顔を寄せてきます。



「やっぱり委員長は蜂蜜みてぇないいニオイがすっとやけど。シャンプーだけじゃなくて全部から。」



くんくん、と無邪気に香りを楽しむ神楽木君の小さなお鼻が、少しだけ動きました。



なんだか顔が熱いのは、夏のせいなのでしょうか?