「今、委員長のオフェンスやったけん、次は俺のオフェンスな。」



何だか状況が読めないのデスが、バスケのルール方式みたいデス。



「昨日な、先輩と後輩に言われたんやけど、チューん味って甘いらしかとよ。」



「は…はひぃ!?」



急に神楽木君は何を言い出すのかと思いきや。



確かに、ファーストキスはイチゴ味って、良く少女漫画とかで言いますけど!



「ねーいーんちょ!チューって、ホントに甘いとやろうか…?」



「わ…分からない、デス!わ、わ、私、新しい本を取ってきます!」



神楽木君があまりにも変なことを聞いてくるから、テンパってしまい、急ぐように席を立ち、奥の本棚へ逃げてしまいました。



何でしょうか、この病気。ドキドキが、止まりません。



とても甘酸っぱくて、心臓が痛くて、ぎゅーってします。



あまり待たせてしまってはいけないと思い、適当に本を選び、本棚に背を向けます。


しかし、それ以上は一歩たりとも足が動きませんでした。



「か、神楽木君?」



私の小さな体は神楽木君が腕を両脇につき、本棚を使い、神楽木君の大きな体に閉じ込められてしまっているのデス。



女の子の憧れ、壁ドンじゃないですか、この状況は…!