「い、行こ!」


気恥ずかしくて、どちらとともなく視線を逸らしたタイミングで、神楽木君は歩き出しました。



急いで追いかけますが、身長152センチの私には、180センチ超えの神楽木君の歩幅には合わず、小走りに後ろを追う形になってしまいます。



神楽木君と距離が出来てしまい始めた時、その小さな可愛い顔がこちらを振り向きました。



「あ、スミマセン!あの、とろくて。」



視線が痛いような気がして、苦笑いして返すと、神楽木君が寄ってきます。



そして、そっと、私の右手を左手で握りました。



「身長差あるけん、歩く速度が違うんも当たり前や。やけん、離すな。」



な、な、な!手を、繋いでしまいました。もう、口から心臓が飛び出しても、おかしくありません。