「それでは、私は失礼します。」



「あっ…委員長、ちょっとタンマ!」



そそくさと帰ろうとする私を、神楽木君が手首を掴んで阻止しました。



「あの…なんでしょう?」



しかし、そのまま数秒間止まってしまった神楽木君に、私が声をかけると、まだ真っ赤な顔で神楽木君が言いました。



「明日…土曜日、午後から、図書館!そのっ!勉強、教えてくれんやろうか?」



「わ、分かりました。」



あまりにも潤んだ目で言う神楽木君が可愛らし過ぎて、断るなんて、ホントに無理。



私の答えに、神楽木君がパァ、と笑顔になり、ペンケースのボールペンとポストイットを取り出し、さらさらとペンを走らせます。



「俺の、連絡先!夜、詳しく連絡するけん!」



そう言って差し出されたポストイットには、お世辞にも綺麗とは言えない文字で、電話番号とメールアドレスが記されていました。



神楽木君は部員さんに呼ばれ、私に手を降るとまた全力で走って行きます。



もう、ドキドキし過ぎて、おかしくなってしまいそう、なのデス。