「さっすが、ナイスリー、行雲先輩!」



「おう!ゴール下は簡単に通さんよ!」



ニカッと笑いながらタオルで顔を拭く神楽木君は、さっき勉強を教えていた彼と、同じ人なのでしょうか?



神楽木君はふと、視線を動かします。その長い睫毛のふさふさと生えた目が、私を捉えました。



そして、パァっと顔を綻ばせると、全力ダッシュでこちらに向かって来るではありませんか。



その大きな身長の神楽木君の迫力と言ったら…少し、ビックリします。



「委員長!どぎゃんしたと?」



「あ、忘れ物を、お届けに。」



おずおずとペンケースを差し出すと、神楽木君は嬉しそうに笑いました。



「わざわざサンキューなっ!」



その笑顔の眩しさといえば、例えようがありません。直視したら、焼け焦げてしまいそうデス。



「えっと…神楽木君、凄いんデスね!格好いいデス!」



なんてお返事したら良いのか分からず、今の気持ちを正直に言って笑いかけると、神楽木君はカァーッと顔を真っ赤にして、左手で隠すように、口を抑えました。



「マジ……それはいかんって。」



「え…良く分かりませんが、スミマセン。」



何か気に障るようなことを言ったのでしょうか?分かりませんが、申し訳なくなりました。