体育館は、とてもじゃないけれど長居出来ないほどに、熱気に包まれていました。
けれど、インターハイ出場を決めて注目度を上げたバスケ部は、主に女子のギャラリーが沢山います。
「キャー!!」
黄色い悲鳴に思わず肩を震わしながら、体育館を見ると、ヘアバンドをした方が、華麗にドリブルをして、シュートをしています。
それはそれは、体育の授業では見れない程に綺麗なシュートなのデス。
神楽木君とは違うタイプの、綺麗な顔のイケメンさん。騒がれるのも納得でしょう。
「おりゃあ!」
「甘いっ!!」
その、歓声に包まれる体育館の中に、神楽木君を見つけました。
神楽木君は高く放たれたシュートを、とても高い位置まで飛び、指先で弾き、ゴールを守りました。
そして、着地したらすぐに飛び上がり、バックボードにぶつかったボールをその大きな両方の掌で包み込み、地面に着地されたのデス。
いつもは可愛らしい神楽木君が、汗をかき、ボールを奪い取る姿は
とてもとても…………格好いい。
その、いつもとは異なる格好いい神楽木君に、さっきやっと止めたドキドキが、また始まりました。
ドキドキだけじゃなくて、ぎゅん、と掴まれるようなこの痛みは、病気なのでしょうか?



