甘くて可愛い彼のヤキモチ 【短編.完】

「そ、相馬くんは私でいいの?」

「は?」

「クリスマス、一緒に過ごすの」

「……もも」


最後の言葉は相馬くんの目を見て言えなかった。

だって、私には胸を張って“相馬くんの彼女です!”って言える自信がない。


「もも、こっち向いて」

「相馬く──」

「ももは俺の彼女だろ?」

「……っ」


“彼女”


耳元で囁かれたその甘い囁きに一瞬息が止まった。


「俺はももと二人っきりでクリスマス過ごしたい」


耳に触れた熱い吐息に身体がびくんと飛び跳ねて。


「相馬くん……」


ギュッと強く抱き締めてくれる優しい腕に涙腺が緩んだ。