甘くて可愛い彼のヤキモチ 【短編.完】

「……うるせぇ」

体育館から聞こえる絶叫に顔を顰める相馬くん。


「そ、相馬くん…なんで…」

「……ごめんな。内緒って言ったのに」


険しい表情が一瞬で消え失せ、哀しそうに揺れる双眸が私を切なげに見下ろす。


「ううん。来てくれて嬉しかった」

「もも……」


そっと相馬くんの左頬に手を伸ばすと、相馬くんは校舎の壁に背中を預け、そのまま腰を下ろした。


ちょ、この体勢……


「もも、可愛い」

「………」


ワザとだ。絶対にワザと。

赤くなる私を見て、クツクツと肩を震わせて笑う相馬くん。


「……下りる」


カァと込み上げてくる羞恥心から逃れたくて、相馬くんの膝の上で身を捩らせた。

すると。

「駄目」

逃がさないと言わんばかりに抱き寄せられる。