そして、日曜日。 バスケの地区予選。 「人、いっぱいだねー?」 背が低い恋歌は飛び跳ねながら言った。 会場となる総合体育館は、まるで、あの日のような人混みだ。 もちろん私たちの学校の生徒も大勢、応援に来ている。 でも、今日は他校の生徒もいるからさらに人が多い。 「よし、先頭行こ!」 恋歌は私の手を握って走り出す。 これって、本当に前と同じじゃない。 「恋歌、待って!」 本当に私が前に進むのは大変なんだから。