俺はまだ、あの日から綾女にちゃんと言葉を伝えていない。
「 憂… 」
「 綾女、好きだ。あの日からずっと… 綾女だけを見てる、好きだ。 」
綾女の目にはじわじわと涙で溢れそうにある 幸せそうな笑顔があった。
「 私も好きっ 大好き 憂里!」
俺は綾女をこの腕で抱きしめた。
絶対 この腕から離さない。
綾女… 離してやんねぇからな!
ゴール下でイチャついている俺たちを、ぬるくなったジュースを持ち、恵太と拓真がベンチに座り見ていた。
「 ちょっと拓真さん、あそこの二人、イチャイチャ長くありません?」
「 まぁ落ち着いて恵太さん、今から邪魔しに行きましょ!」
「 そうね、ぬるいジュースを差し入れしましょ!」
鼻でフフンと笑い合う恵太と拓真がふざけて邪魔しに戻り、俺たちは綾女を自宅まで送り届けて行った。
綾女と繋ぐ手に 離すまいと少し力を入れた。
「 綾女、明日はお袋の味定番の肉じゃが作れよ!失敗したら… お仕置きな 」
「 ええっ!」
明日の綾女のお仕置きが楽しみだな。
_______完_______

