シルス・グランジス





シルス・グランジス




彼は今日
前日まで
なにも告げられないまま、




処刑場へと
連行された。




手首には
縄が巻かれ、





紫色の絨毯の上を
彼は歩いていた。



その時ですら、
男には


死にたいする
恐怖心すらなく、



シルスは
笑っていた。



『今から、僕らの世界が作れる。』




俯きながらも
シルスは
そう呟いていた。