シルス・グランジス

シルスは
無我夢中だった。
新たに芽生えた感情から
目を背けるように

男のあばら部分にかいた
線の上をひたすら切っていた。


その芽生えた感情が
『もう殺したくない』


そんな感情だったから。

それでも
シルスには人を殺める使命からは
背けられなかった。


マリア
彼女の姿が脳裏から離れないで
シルスを支配していたからだ。

自分の感情を押し殺すのは
もう誰かが離れて行くのに


耐えらないからだ。