ずっとずっと、 考えてきた。 かごの鳥を逃がしたのは、いったい誰だったのか。 いたずらっこの仕業か、 それとも私たちを出会わせるために、誰かがわざと放ったのか。 答えを知るすべは、もうどこにもないけれど。 今、なぜか不思議な確信を持って、私は思うのだ。 かごの鳥は逃がされたんじゃない。 自分の翼で、空に飛び立ったのだと。 【END】