「芽依っ!」 壁に引きずられるように歩いていると、校舎内に入ったところで可愛い声が私を呼んだ。 「千春…」 「よし、もう大丈夫かな」 そう言って壁が手を離すのと同時に千春が抱き付いてきた。 「探したんだよぉ」と何故か涙声で言うから、よしよしと頭を撫でる。 昼休みに見つからないからって、ちょっと大袈裟じゃない?