「顔、擦りむいてますよ」 ポケットからハンカチを取り出し、俺に向かってそれを差し出して微笑む。 その優しさも。 どこか、莉子にリンクした。 「…もう、行くぞ芽依」 「え、ちょっ…待ってよ!あ、ぶつかっちゃって本当にすみませんでした!」 ペコリと深く頭を下げてそう言うと、彼女は彼氏の背中を追いかけて走っていった。 残されたのは、彼女のハンカチと甘い香り。