「何事も無かったかのように、消えた」 「消えた、って…何が」 空に浮かぶ月が、雲によって見え隠れする。 なぁ、莉子? あの時、お前はどんな気持ちだったんだろう。 「俺が殴ったやつは顔に怪我をおった。大した怪我じゃなかったけど向こうの親が学校に来て大騒ぎ。まあ、当たり前だよな」 自分の娘が顔に怪我を負わされたんだ。 普通の親なら騒ぐさ。 「そしたら…莉子が言ったんだ」