何でもっとカッコ良い名前、つけてくれなかったんだよ、って何度も思ってた。 「そう?私は、綺麗な名前だと思うけど」 ポツリと呟いた声は 「はは、やっぱりな…っ」 あのときと同じで。 笑い出した俺に怪訝そうな表情を浮かべる柳瀬さん。 うん、覚えてないよね。 一年前の、ほんの一瞬の出来事なんて。 だけどあのときの俺には、大袈裟だと思うだろうけど 世界が変わった気がしたんだ。