突然、発された言葉。
だけど長めの前髪が邪魔をして壁の表情が分からない。
だけど、その声は今までのとは変わって
「たとえ芽依ちゃんが俺を嫌いでも、信用してなくても構わない。俺はなにを犠牲にしてでも芽依ちゃんを守るよ。
それだけは、覚えておいて」
決して揺らぐことのない強い意思のようなものを感じて
顔をあげた、どこか晴れ晴れとした彼の目には戸惑いに満ちた私が映っていた。
彼はどうして、こんなにも真っ直ぐなんだろうか。
どうして、私なんかをそんな風に想ってくれるんだろうか。
だけどやっぱり、こんな彼の感情さえも
いつかは無くなってしまうんだろう。

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.763/img/book/genre1.png)