残酷。 その言葉に動けなくなった私が彼の黒い瞳に映る。 深くまばたきをした、彼の仕草に目を奪われて。 「──欲しくなるんだよ、無理矢理にでも」 そんな彼の声を聞いたのと、甘い香りが鼻を掠めたのは どっちが先だったんだろう。 「芽依ちゃん」