「そっか!喋ってるとチュー出来ないもんね!」


「………………消えろ」





ほんっっっきでどんな思考回路してんの、こいつ。

どうしたら、そうなるわけ。




人差し指で自分の唇を触りながら微笑む壁を本気で殴りたい。



その仕草が無駄に整った顔立ちの壁がすると、どこか妖艶さを含ませるのも

私の殴りたいという欲求を増させているんだと思う。








「好きでもないやつに、しかも壁とだなんて有り得ないから。第一、私は──」


「男なんて、嫌いだから。……でしょ?」