私は悪くない。
これは立派な正当防衛だよ、正当防衛。
壁ごときが抱き付こうとするから一発、パンチをお見舞いしてあげただけなんですから。
「でも、芽依ちゃんからの愛のパンチ…」
「どこに愛を感じたんだよ、一体今ののどこに愛を!」
私には壁が理解できっこない。
いや、初めからしようなんて思ってないけど。
うん、だって、理解したいと思わないもんね。
てか、知りたくもないよね壁のことなんて。
出来ることなら関わりたくないよね。壁みたいな危険人物。
私だって「持田くんって、こわーい」なんて言いながら皆と一緒に安全で平和な人生を送りたかったよ。
え?持田…いや間違えた。
壁に気に入られたほうが安全に過ごせるって?
いやいやいやいや!