私はそんな市原くんの挨拶に返事することなく席へと向かう。



「市原くんを無視するなんて何様?」なんて声が他の女子グループから聞こえた。

なに、それ。

返事したら返事したで文句言うくせに。


自分が話しかける勇気がないからって、ひがみ?






「あー、もうイライラする!マジでウザい!」





バンと机に鞄を投げつける。

その大きな音にクラスメートの肩が揺れる。