「芽依ちゃん、今日の放課後って暇~?」




突然にこにこと微笑みながら、そう聞いてきた壁。

ほんと、幸せそう。




「たとえ暇でも、壁には関係ないでしょ?」


「…壁に戻った…」




いやいや、戻ったもなにも貴方は初めから壁ですから。

それ以上でも、それ以下でもないですから。





「持田 海(もちだ かい)」


「は?」


「俺の名前」




……あのねぇ、壁。




「さすがに、それくらい知ってるから」