「――おい」
尾関は水槽のガラスに手のひらをつけて、我が物顔で優雅に泳いでいるバカでかいサメをじっと見つめている。
俺が声をかけると、ぴくりと微かに肩を動かし、ゆっくりとこちらを振り返った。
「おまえ、どういうつもりだよ」
「えっ……?」
いきなり聞いてきた俺に、尾関は一瞬、眉をひそめる。
「聡とどういうつもりで付き合ってんだよ」
「……どういうつもりって……」
俺がこんなことを聞くなんて想像もしていなかったんだろう。
尾関は目を泳がせながら、確実に動揺していた。
「聡を利用してんのかよ」
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