love letter~章吾~


「………!」



棚に戻したと同時に、目に入った本のタイトル……。



【はじめての赤ちゃん】



な、なんじゃこりゃ――っ!!

焦って周囲を見渡すと、女ばかりで。

しかも、【妊娠・出産コーナー】とデカデカと書かれたプレートが掲げられていた。


ちきしょうっっ!!

これも全部、あのバカがここにいるせいだ!

あいつがいなければ、俺は今頃、参考書を真剣に選んでいる男子高校生の一人だったのに。


周囲の冷たい視線から逃げるようにして、その場を立ち去ろうとした瞬間。

慌てていた俺は、ドンッと何かに思い切りぶつかった。