love letter~章吾~


このシチュエーションは……。

つまり……。



「成美……?」



俺が呼びかけると、成美はゆっくりと目を閉じた。

ドクンドクンと、心臓の音が重低音を響かせながら加速し始める。

躊躇しながらも、俺は震える手で成美の顔を包み込む。


……て言うか……。

俺、女の子とキスするのって初めてだぞ。

くそっ。

事前に勉強しておけばよかった。


あ――っっ!ちきしょーっっ。


なるようになれ、と、俺はそっと成美と唇を重ねた。