驚いた顔もまた、可愛くて。 思わず、ギュッと抱きしめたくなるような衝動に駆られる。 おい、しっかりしろ、俺! 欲情している場合じゃねぇぞ。 『笠原くんっ!』 ―――!? 一瞬、尾関の声が聞こえたような気がして。 全身にぞわぞわと鳥肌が立つ。 おい、なんだよ今のは。 他の女と付き合おうとしている俺への呪いか!? 反射的に周囲をキョロキョロと見渡すが、尾関の気配はない。 「……笠原くん?」