尾関が倒れたってことは、快適な授業が受けられるってワケだ。

知らずのうちに、自然と顔がほころんでくる。



「心配でしょ?笠原くん」

「……は?」

「保健室、行ってあげたら?」



なんで俺が。

類は友を呼ぶってのは本当なんだな。

尾関といい、井ノ口といい。

なんだってこうも、めでたいヤツらばっかりなんだ?



「あのさぁ」

「なによ?」

「おまえも知ってるだろ?俺が尾関のこと、すっげー嫌いなの」



そう言うと、井ノ口は考える間もなく即答する。