俺の書いた日付を見て、尾関の目に涙がじわりと溜まる。 この涙の意味は俺にしか分からない。 俺と早々に入籍できることの喜びなんかじゃなく。 クリスマスイブに入籍できないことへの悲しみだ。 「……おまえ、いま何月だと思ってんだよ」 「今? 一月。学校は冬休みよ?」 クリスマスイブの入籍まで一年弱あることを、コイツは分かってんのか? 「それまで待つのか?」 「……うっ……」 突っ込まれて、尾関は苦しそうな表情をする。