勢いよく席を立つと、そのまま教室を出て行った。


……とはいえ。

今は休み時間だ。

あと数分もすれば授業が始まるわけで……。



「くそっ!」



廊下の柱に隠れて教室の中を窺う。

すぐ目の前にある、廊下側の俺の席。

尾関と聡が何やら話しているが、よく聞き取れない。

尾関は緩みきった気持ち悪い顔をしていて、聡はほんの少し穏やかな表情をしている。


なんだ?

なんか、えらい良い雰囲気じゃねぇか。

つか、尾関。俺の親友でもある聡にこれ以上近づくんじゃねぇよ。