だけどさ、もう遅いんだ。


好きだという気持ちを自覚しても、尾関は聡と結婚する。


それが現実なんだ――。



いくら好きだからって、女のために親友の幸せを壊すことなんかできるはずがない。


これは、大きなミスなんだ。

今まで自分の気持ちに気づかなかった、俺の、人生最大のミス。



そして、俺がこれまで尾関に散々やってきた仕打ちに対する罰なんだ。


素直に自分の気持ちをぶつけてきた尾関。

そんな尾関に、「嫌いだから」という理由で、ずっと傷つけてきた。


あいつは一体、俺のことで何度泣いたんだろう。