純粋に聡と付き合っていると信じていた俺は、あいつ以上にバカだった。 親友の聡が、俺よりも尾関に協力したことが頭にきた。 だけど……だけど……。 ムカツク理由をすべて挙げてみても、何かが足りない。 その足りない理由って、いったい何なんだ? ――ガツンッ……!! 「おい、笠原……?」 イラついて、持っていた金づちを床に投げつける。 「……どうしたんだよ」 「――……何でもねぇよ」 いったい何が足りないんだ? すべての理由が揃ったら、この苛立ちはおさまるのか……?