「おい、章吾……」 「おまえは黙ってろ」 止める聡を軽くにらみつけて、俺はさらに言葉を続ける。 「俺は、おまえのことなんか大嫌いだからな」 「………っ……」 尾関の押し殺したような泣き声が聞こえてくる。 「いいかげん学習しろよ。 おまえがどんな手を使ったってな……、 俺は絶対に、おまえのことなんか好きにならねぇぞ」 言いたいことをすべて言うと、俺はそのまま教室の中に入った。