「あ?」



言われて、ズボンのポケットから響く振動に気づく。

反射的に尾関を見ると、満足そうに微笑みながら携帯をスカートのポケットにしまい込んでいた。



「母ちゃんから?」

「あ、あぁ、まぁな」



聡に隠れるようにして受信メールをチェックする。

送信主は、当然あのバカだ。



 【結婚はできません。まだ早いと思うから】



「………」

「なぁ、母ちゃん、なんだって?」