なにやってんだ、俺は。
あの尾関にメール送ってるし。
しかも尾関は聡の彼女だぞ。
なんでこんなところにこもって、コソコソとメール送ってんだよ、俺。
「……アホらし」
ソッコーで返事がくると思っていたのは大きな勘違いで。
トイレの個室で、大嫌いな尾関からの返信を待つ自分があまりにもバカらしくて、俺はトイレを出て教室に戻った。
教室に入ると、否応がなしに窓側の席が視界に入る。
尾関の席がある、窓側。
自分の席に座っている尾関は、
うつむき加減で何度も首をひねりながら、手元で携帯を操作している。
……おいおい。
まさかとは思うけど、まだ返事を打っている最中なのかよ。


