俺は、成美を本気で好きになることができなかったんだ。 初めての彼女。 その存在に浮かれていただけで……。 それに……。 尾関との一件で聡と縁を切れと平気で言ってくる成美の傲慢さにも、うんざりしてしまった。 「うん、分かったよ」 理由さえも聞かずに、あっさりと身を引く成美。 彼女もそれほど俺のことを思っていたわけじゃなかったんだと悟る。 成美は座っていたベンチから立ち上がると、「じゃあね」とだけ言い残し、公園を先に出て行った。 あまりにもあっけない終わり方に、思わず溜息がこぼれた。