「なに、どうした?」 「成美が、尾関さんに殴られたの!」 「はぁ!?」 とっさに、尾関がさっきまでいたはずの教室の窓辺を見る。 そこには、暇を持て余すようにして携帯をいじっている井ノ口の姿しかなかった。 いつの間に教室を出て行ったんだ? いや、そうじゃなくて! あのバカが成美を殴った……? 「おい、章吾!」 窓から廊下へと飛び出し、俺は小さな人だかりのできている廊下へと走った。 その後を聡が「落ち着けって」と言いながら追いかけてくる。