成美は落ち着いた様子で音量を下げ、冷静にチャンネルを民放放送へと切り替えた。
テレビの画面には、さっきとはまるで大違いな、地元の情報番組が流れている。
「……もう、章吾くんたら……。気が早いんだから」
含み笑いをしながら、成美は俺に身体を摺り寄せてくる。
おい、ちょっと待て!
風呂が先じゃないのか?
それともなんだ?
成美がいま風呂を溜めているのは、終わった後すぐに入れるようにって意味なのか?
いきなり迫られてきても、準備ってもんが……。
どうすんだ!? 俺――!!
「ふ、風呂っ!」
「……えっ?」
「風呂が先だろ?」
「うん。でもまだ……溜まってないよ?」


